レベルカラーの思い出(模型塗料史を兼ねて)

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    うかいさんのツイートが気になって、ちょっと昔の記憶をほじくり出してまとめてみたら、例によって超長くなってしまったので、ブログのほうでまとめることにしました。

    父がプラモデラーだったので、かなり昔から我が家には模型用塗料が豊富にあり、私もそれを使わせてもらっていました。一部記憶が曖昧な部分もありますので、間違っている部分もあるかもしれませんがご容赦ください。



    プラモデル用の塗料と言えば、60年代中頃まではハンブロール一択だったと思われます。
    ハンブロールはエナメル塗料で、伸びが良く筆塗りが可能でしたが、乾燥に時間が掛かるのがネックでした。

    国産ラッカー系塗料の嚆矢としては、やはり60年代に、マルサンのプラカラーと、イサムのプラッカー、そして、ピラーという舶来品(実は国産w)がありました。プラカラーは原色のみで、調合して使うしかありませんでしたが、ピラーには日本陸軍機用とかドイツ戦車用とか、ミリタリー用の専用塗料があり、私の父はピラーとハンブロールを併用していました。



    ピラーは当初三角形のビニール袋みたいな変な容器に入っていましたが、その後丸瓶になり、最後は角瓶になります。一部の模型の組み立て説明書には、「塗料はピラーを使うべし」などと書いてあったりしましたので、これがスタンダードカラーだったと言って良いかもしれません。



    マルサンのプラカラーは原色のみでしたが、プラシャインという銀粉がありました。原色で塗った上にプラシャシンを振りかけて擦るとメタリックになるというもの。

    イサムのプラッカーは、蓋がコルクで揮発しやすく、すぐに使わなくなってしまいました。



    それ以外にはマメラッカーという塗料がありましたが、これはプラを侵食するのでプラモデルには使えず、鉄道模型やソリッドモデルに使用していました。マメラッカーのサーフェサーは、他に代替品が無かったので重宝しました。マメラッカーという名前が示すとおり、小さな容器だったのですが、後年、マメラッカーダイという、極めて矛盾した名前の大きな缶が出てきて、サーフェサーは殆どこれ一択でした。



    いわゆるエアブラシは、模型に使えるものはピースコンなどの高価な海外品しかなく、我々貧乏人用には、百万人のハンドスプレーという手押し式のスプレーがありました。これもマメラッカーの会社(島田塗料)が作っていました。エスクマ印という商標です。

    「百万人」では模型を塗るのには少しノズルが太すぎたので、改造して細いノズルをハンダ付けして使っていました。これはもう高校時代になってからなので、77年ごろと思います。



    プラモデル界の塗料の革命になったのは1965年に登場したレベルカラーです。ラッカー系の塗料で非常に使いやすく、あっという間にプラモデル用塗料のデファクトスタンダードになってしまいました。

    当初は全30色だったと思います。1番のホワイトに始まり、銀が8番、30番がフラットベースだったので、番号は今のMRカラーと同じでしょう。最初のレベルカラーは蓋が全部白で、見分けるために蓋に中の色を塗ったり、マジックで番号を書いていたりしました。当時、レベルカラーには12本入りのケースがあり、蓋つきの発泡スチロールでした。これが便利で、懇意にしている模型屋さんで箱だけ貰って、これに収納していました。



    また、初心者向けにレベルカラーセットという商品があって、これは、今のタミヤカラーみたいな小瓶にフラットベースを含めた原色10色のセットとシンナー、調色用塗料皿、筆がセットになっていたものです。父は最初にこれを買って使っていました。

    その後、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズ、静岡四社によるウォーターラインシリーズが始まって、戦車色や軍艦色を加えて全60色となり、さらに全72色にまで拡大しました。



    プラカラーが市場から消えてからしばらくして、モデルカラーという塗料が出てきました。これはプラカラーと同じメーカーの製品だったそうですが、色ナンバーがレベルカラーと一緒、容器がハンブロールと一緒という商品でした。量が少なかったのと、レベルカラーと違って、ほとんど模型雑誌への広告などを出していなかったのが敗因だったでしょうか?



    ちなみに、この頃のレベルのプラモデルのパッケージには、こんな表示が付いていました。これを見て、必要なレベルカラーを買って作れば良いという事ですね。この番号でハンブロールを買ってしまうと、とんでもないことになります(笑)。



    フジミは敢えて、モデルカラーで指定していたのが笑えます。色番号が同じなので、レベルでもモデルカラーでも使えるというのは便利でした。



    同様に、すぐに消えていった塗料にバンダイから発売されていたモノグラムカラーというのがありました。バンダイがモノグラム社と提携してプラモデルを販売していた時期に売られていた塗料で、これもラッカー系だったので、レベルカラーと混ぜて使えたと思います。全60色で、レベルカラーには無い色などがあり、幾つか使っていたのですが、いつの間にか無くなってしまいました。



    70年代中頃、レベルはレペという水性塗料全30色を発売します。泡立ちやすく、乾燥しにくくて、べとべとするので使いにくい塗料でした。レペはグンゼとレベルの提携解消後ホッペになり、そのうち無くなってしまいました。今のクレオス水性塗料とは明らかに違うものです。



    それと前後して、タミヤがパクトラと提携し、パクトラタミヤというエナメル系塗料を発売します。パクトラは伸びも光沢もハンブロールには敵わず、カーモデルの筆塗りなどは相変わらずハンブロールのグロス一択という感じでした。今でもタミヤからはエナメル塗料が出ていますが、パクトラ提携時代のものとは違うものになっています。



    レベルとグンゼの提携解消後、レベルのプラモデルがタカラから販売されることになりましたが、レベルカラーもタカラに移り、タカラレベルとタカラレペになります。当初パッケージはグンゼ時代と同じもので、その後、旧来の縦三色のレベル模様を斜めにデザインしたものに変更されました。瓶の蓋もレベル表記のままでしたが、あるロットからTAKARAの文字だけになり、その後消滅します。



    1977年、Mr.カラーが登場し、レベルカラーと併売していたように思います。タカラがレベルとの提携を解消してレベルカラーが無くなり、ラッカー系はMr.カラー一択となり、ガイアカラーが登場するまで、ラッカー系はMr.カラーの独占状態にありました、その後、容器が変わり、容量が少なくなりました。瓶の蓋の恰好が独特で、蓋が開けやすくなっていましたが、重ねて置くのには不向きで、近年、普通の蓋に戻っています。

    レベルカラーとMr.カラーは、同じスチロール系塗料だったので混色出来ましたが、溶剤が違っていたように記憶しています。何となく違う匂いがしました。もっとも、最初期のレベルカラーのレベルシンナーは、いわゆる「アンパン」用に重宝されたハードシンナーで、これはガチでヤバかった記憶があります(苦笑)。その後、「ウスメ液」という名前になったあたりから内容が変更され、匂いもだいぶ変わりました。

    その後は皆さんご存知のとおりです。グンゼ産業は2001年にGSIクレオスに社名変更し、今年でMr.カラー誕生40周年を迎えるそうです。


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